Q:4カムエンジンを正しく直せる人が少ないのはなぜでしょうか?
Q:ポルシェ社の純正部品は使えるのか?
Q:廃盤部品はどうするのか?
Q:今後の部品調達。
1960年代にポルシェ工場からでた車でなぜ今現在修理できる人が少
ないのか?と思いませんか?当時現役だったメカニックはもちろん、す
でに引退していると思いますがその技術を後輩に伝えなかったのでしょ
うか?
当時、ポルシェ工場で4カムエンジンを組む人は限られておりました。
そうです、労働者のなかでも限られた優秀な人のみでその人数はごく少
数でした。では、ドイツのポルシェセンターではどのように修理をして
いたのでしょうか?実は、すべてのポルシェセンターでは4カムエンジ
ンは修理できませんでした。選ばれたポルシェセンターのみで修理がで
き、そこには4カムメカニックがいました。当方の4カム系の相談役で
ありパートナーである人はそのポルシェセンターで4カム担当でした。
ということは、ポルシェ本社のエンジン組み立て担当最低15人程度?
+各ポルシェセンター4カム担当これまた10人~20人。皆さんどこ
へ行ったのでしょうか?どうして技術を受け継がなかったのでしょうか?
1990年はじめにポルシェ社は経営が危なく当時55歳以降の社員を早
期定年させました。その中に熟練した4カムスペシャリストはすべてと
言っていいほど事実上解雇されました。
部品も今日になっては手に入らない物が多く、廃盤部品をどおするか?
代用の物を見つけて来るメカニックもいれば、特注で制作するメカニッ
ク。代用の物などを見つけて来ても1000kmも走れば壊れてしまい
ものもあるそうです。その時点で、そのメカニックは4カムスペシャリ
ストの名札を外した事になります。純正部品も今日となっては立派なリ
プロドクト品で結局純正品で、でる物でも特注でパーツをオーダーして
いるものも多いのです。
年々部品調達が厳しくなり今後特注部品を作るケースが増えていき、最
終的にはすべて特注でパーツを頼まなければならない日も来るかもしれ
ないという事です。
当時4カムスペシャリストで良い仕事をしつづけたひとでも4カムスペ
シャリストの名札をはずした人も少なくありません。60年代に終わった
356カレラ4カムの開発改良。そのときの最終技術を持っているだけ
では4かむスペシャリストの名札は持てません。4カムスペシャリスト
の名札を今でも持っている人は今の技術を使い当時よりも完成度の高い、
精密度の高い物を作ろうと日々研究しております。そこまでして、初め
て4カムスペシャリストの名札を今日まで持つ事ができます。
それらを考えると、この世に残された4カムスペシャリストは、多くな
いという事が納得できると思います。