
996から(正確に言うと993ターボ)コンピューターが使われるようになりました。上記の写真はとある車のノーマルの情報マップです。
日本でおこなわれるコンピューターチューニングは、たいがい車から吸い取ったデーターをメールの添付ファイルでドイツに送りドイツのチューニングショップがデーターを書き換え、メールにてチューニングされたファイルを日本へ送り、そしてお客様の車へ入れ返すというのが一般的です。
日本で私の知る限りコンピューターの中身をいじくれるショップを2つ知っております。この2社は細かな設定をしてもらえ(日本の気候に合わせた調整なども含め)チューニング後に微妙な独自の調整ができるのではないのでしょうか(確認してないので何ともいえませんが)?
ドイツから仕入れたチューニングファイルは日本で調整する設備がないためいじりようがないのです。なぜほぼすべてのチューニングショップがコンピューターを日本で解析せずにドイツにファイルで送るのか?という点ですが、上記の写真はグラフですが数字やローマ字が永遠と続くマップの表示もありますが、これを調整していくのです。例としてリミッターカットは(これは本来カットするのではなく数字を高めるだけですが)どこをどういじれば良いのでしょうか?表を見ただけではわからないのです。このコンピューターの中にはアクセルを踏んだ時の感触(敏感度)まで変更できるそうです。
このようなコンピューター内のデーターをいじくるのには相当の知識が必要になってきます。情報を仕入れてこれても知識のない人がそれをいじくる事は難しいのです。例えば996で同じ年代、同じ型であっても同じところを同じようにいじればいいのではないそうです。
(レースチームなどは、最低限の機能しか必要とせずコンピューター自体をレース用に1から書き直した物を使用しているところもあります。)
そのようなデーターや情報を購入しても車種(コンピューターの種類が)が変わればまた新しい情報が必要になってきます。ポルシェのような車は台数も少なければ、チューニングしたがる人がドイツよりも多くないでしょう。ですからこのような開発にお金をかけるのなら希望のチューニングを本国でやってもらうというのが手っ取り早いですし自分はパソコンを使って吸い取り/書入れをしていればいいだけですから楽なものです。
なぜ今日こんな話をしたかといいますと、実は最近ドイツのチューニングショップが問題になりました。というのもチューニングした車が壊れるのです。開発に時間をかけず、テスト走行もせいぜい数日?のみのデータを使いまわし、お客の前で30PS上がればお客が喜ぶ。それを1年間毎日2~5時間のアウトバーン走行をするなどという情景は前提にしていないのかもしれません。日本に流れているデーターは私の知る限り出所がしっかりしたものです。ただ、ドイツの開発者はドイツでは想像付かない日本独特の真夏の渋滞など前提にチューニングをしていません。
車の修理でもそうですが、安ければ良いというものではありません。少々値段が高くても腕の確かなところで修理やチューニングをしましょう。