ドイツにもクラシックポルシェの雑誌はありますが、出版第1号では356の特集やポルシェ356クラブの特集から始まり、1973年までの911モデルの特集、そして1973年911CarreraRSの特集、オーナーズクラブ、ポルシェミュージムの秘蔵の車の記事など盛り上がる表題はいろいろあります。色々ネタは有りますが水冷のポルシェとは違い新しいモデルが出て来ないので何時の日か壁にぶつかります。そして、それを何とかよじ登ろうと、997GT3RSと911CarreraRSを比べてみたり、各ポルシェモデルを個人の人がレース使用に改造(もしくはチューニング)したモデルの紹介が出て来たり、数十年車を所有する個人オーナーの紹介が出て来たりしますが、クラシックカー雑誌にニューモデルの991の記事が登場して来た時点で私個人は雑誌に対して?と思う瞬間でもあります。
delius-klasing社は主に2輪、4輪そしてボード関係の雑誌や本を大きく手がけていますが、そこから出版されているのがPORSCHE KLASSIK誌。年2誌のPORSCHE KLASSIKは会社の中の小さな部署と思いますが、私個人としては内容の薄い雑誌を毎月販売されるよりも良いと思います。まだ第2号(1年目)という事で内容もかなり濃く今後も期待したい1冊です。HEEL Verlag GmbH社から年に4誌発行されているのはPORSCHE FAHRER誌で、こちらは出版されて数年になりますが内容は発売当初から比べると水冷の記事が一時期増えて私好みの物ではなくなってしまった為に、空港で買う程度で普段は買うような事はなくなってしまいました。
(私は水冷ポルシェも嫌いではないです。車を買おうとは思いませんが。)
ポルシェクラシックの雑誌ならば、ドイツの他の総合クラシックカー雑誌と同じような記事ではなく、2歩掘り下げた記事が欲しいと思います。当時の同年代に存在していた他メーカーのスポーツカーと実際に性能比較テストする、4-camを搭載した356を全部まとめて一度に比較、現代の車同様10万キロ走行テストなど、車の性能を再確認する意味でもとても楽しいと思います。クラシックポルシェの似合う絶景ドライブコースの紹介やコース上の屋根付きガレージがありセキュリティが高いホテルやレストランの紹介なども欲しい情報と思います。毎年あるイベント(クラシックカーグランプリ、レース、ラリーなど)の紹介なら、どのクラシックカー雑誌でもしていますので、ポルシェ専門誌ならばそのイベントに出ているポルシェをスクープして記事を書いてもらいたいですね。
サーキットを走る車をオーナー付写真で簡単に紹介するだけではなく、公式なクラシックカーレースに出るのにはどのような装備が必要なのか?どの程度予算が必要なのか?どのような走行会イベントがあるのか?などサーキット走行に興味を持っている人にはとても貴重な情報だと思います。PETROLPICS社から出版されているPowerslide誌はヒストリックラリーカー専門という究極のマニアマガジンで内容はクラシックカーを利用したラリー、サーキット走行に重点を置いておりポルシェ専門誌ではないですが、好きな人にはたまらない雑誌になっています。このような雑誌は大ヒットする事はないと思いますが、クラシックカーライフにはなくしてはならない雑誌と思います。PETROLPICS社の強みは社長/編集長がポルシェマニアでもありクラシックポルシェレースカーに大変詳しい人でもあります。また、ニュルブルクリングで独自の走行会を開催したりその活動も積極的であり、ドイツに置けるクラシックカーレースに貢献している重要な会社と思います。
このようなクラシックカー専門誌が存在する事はクラシックカーオーナーにとって、とても大切な情報源でこれからも、もっとクラシックカーファンを魅了していってもらいたいです。そして、メーカーにこだわったポルシェクラシック雑誌もしくは空冷ポルシェ雑誌は他の一般雑誌から比べて観客は少ないので出版社にしてみれば道は険しいと思います。クラシックカーオーナーは購読を、そして出版社にはそれを裏切らない内容を提供していってもらいたいです。

発 行:2回/年
金 額:8EUR
内 容:ポルシェクラシック

発 行:4回/年
金 額:5.90EUR
内 容:ポルシェ空冷

発 行:6回/年
金 額:5.90EUR
内 容:オールドタイマーラリー専門誌