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ポルシェ1974年コンプレックス

ここドイツでは、法律で製造から30年経過した車で、なおかつオリジナルを保っている車は、文化遺産として扱われ、historischen Nummernschild(以下、Hナンバーと略す)がもらえる。税金は一律価格で減税対象となり、しかも大都市では汚染を理由に、規定の排気ガス水準を満たしていない車の立ち入りは、禁止されている都市が有るのだが、Hナンバーは自由に出入りが出来る。ちなみに、Hナンバーに必要な「オリジナル度」のハードルは、クラシックカーを趣味とする人々にとっては非常に低い基準で、Hナンバーを持っているからと言って、決して車の価値は上がるわけではない。もちろん車検をクリアーしているという意味では、意味の有る事であると思うが。

以前は、製造から30年と言うのは、世間からクラシックカーとして認められたと言っても過言ではない、一つの節目の歳であった。しかし、30歳を超える車が増え続ける中、政治家の間では30年を迎えた車が必ずしも、文化遺産に適しているとは言えないのではないだろうか?という声が上がって来ている。例を上げられたのはMercedes Benzのゲレンデワーゲン(Gクラス)である。個人的には、この車が作り続けられる事は嬉しく思うし、個人的にはベンツが世の中に送り出した一つの名車、すなわち文化遺産であると私は認めている。

クラシックカー界に、何時しかヤングタイマーという言葉が生まれ、最近ではヤングタイマー雑誌も出て来るほどである。ヤングタイマーとはオールドタイマーの予備軍で、生産を中止した型落ち車からクラシックカーの間の車の事を言うが、傾向として製造から20年〜30年経った車に用いられる事が多い。本来ヤングタイマーは、何時しかオールドタイマーというカテゴリーに移行しなければならないのは当然である。では、この定義でポルシェを見てみると、今年2014年に30歳になった車は1984年のポルシェである。そして今年20歳を迎える車は1994年式のポルシェである。しかしヨーロッパではオールドタイマーのポルシェというのは1973年までのポルシェの事を指している。

ドイツではG-Modellという呼び名が付いている1974年から1989年まで製造されていた911。89年式の最終モデル(25歳)は、まだクラシックカー域に達していないヤングタイマー車だと言える。もちろんポルシェマニアの間では、1974年に作られた911と1989年に作られた911は全く別物なのだが、その意見は大衆では認められていない。クラシックカーの1973年式911、ヤングタイマーの1974年式911。今年40歳を迎えた1974年式が、クラシックカーと言うカテゴリーに入れてもらえないのは、あまりにも理不尽で有る。ただし、そこにはやはりデザイン的な壁がある事は、どのポルシェ愛好家も認めている事だ。

そんな、GーModellであってもかならず何時しか大衆からもクラシックカーとして認められる日が来るであろう。しかし、それが10年後なのか、20年後なのか、それともヤングタイマーという言葉は80年代の車の呼び名として一生定着する事も無いとは言い切れない。いずれにしても、1973年は大きな節目である事は今後も変わらないであろう。


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Mercedes Benz Gクラス Quelle:Wikipedia

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ポルシェ911 G-Modell 1974年以降のスタイル Quelle:Wikipedia

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ポルシェ911 1973年までのスタイル(車両:1964年式) Quelle:Wikipedia

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